三岸節子
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三岸節子「花」
裕福な実家とその後の没落、洋画家への志望、三岸好太郎という奔放な天才の結婚の喜びと苦悩、好太郎夭折後の対社会的苦闘、もう一人の才能・菅野圭介との愛の別離などの様々な出来事を乗り越えてきた波乱万丈な人生を背景に制作された作品には感情が深く込められていることは見て取れるであろう。
美術の世界では圧倒的に男子優位とされてきた時代の中、女性作家として生きていくのは、余程の決意と覚悟がなくては叶うことはなかった。 封建的な家に生まれたながらも、節子は「野生の奔放な子供」で自らの興味に従い、比較的自由に生活していた。 女学生時代には、文学に熱中しその頃から見様見真似で、美人画の模写をし始めたという。 その後、親の反対にもかかわらず、日本画ではなく油画を学習しようと志向した。 油絵の世界こそ、新しい時代の人間解放であり、新鮮な自由の世界が開かれると信じ込んだと自らあとで振り返っている。