浜田庄司(濱田庄司) はまだ しょうじ
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元々は、防水機能に役立つ釉薬の原料の一つとして益子地方で使われていた「赤粉」。
濱田庄司先生は、その赤粉を低温で焼く手法など幾度も改良を重ねて「柿釉」を生み出しました。
更に、この柿釉をベースとして別の材料を調合することにより、全く別の釉薬も数多く生み出していきました。
花田美術では、おおらかな作風の濱田庄司作品を常に探しております。
美術品のご売却が初めての方でも丁寧にご説明をさせて頂きますので安心してご相談ください。
花田美術の在庫作品や近年取り扱った浜田庄司作品
安藤です。よろしくお願いいたします。
浜田庄司先生は明治から昭和期を生きた日本の陶芸家です。
現在の神奈川県川崎市で生まれ、東京高等工業学校窯芸科(現:東京工業大学)に進学し、板谷波山にも学びました。
イギリス・ロンドンでも個展を開催した実績があり、1930年(昭和5年)以降は、益子焼の産地である栃木県益子町で作陶を続けました。そして、1968(昭和43)年には文化勲章を受章することになります。
こちらは、浜田庄司先生の代表的な釉薬を用いて仕上げられた「柿釉(かきゆう)」の作品です。
底部の形状も浜田庄司先生特有の形です。
多くの陶芸作家は高台内や高台脇などに描き銘や掻き銘、または印銘などを入れることで本人の作品のしるしとしていますが、
浜田庄司先生は「作家」と呼ばれることを望まずに、一人の「工人」であろうとしたため、通常は作品に銘は入れておりません。
(※ ごく稀にですが銘をいれた作品も存在いたします)
共箱に「柿釉 抜繪皿」と書かれています。
共箱とは、作者自身が桐箱などに署名をした箱の事を言い、真作を証明する鑑定証書のような意味合いも持つ箱です。
更に、作品に自筆の箱書きを付けるということは、誰よりもシビアな目を持つ作家自身が出来具合を認めた逸品の証でもあり、二重の重要性を持ちます。
こちらがこの作品の共箱になりますが、蓋の裏に作品名とサインそして押印がされています。
柿釉 抜繪皿とはどういう意味ですか?
はい。まずは「柿釉(かきゆう)」についてお話しさせて頂きますね。
柿釉とは、益子で赤粉と呼ばれていた実用向けの釉薬を、浜田庄司先生が低温で焼くなどの改良を重ね、秋の風情を纏った柿を感じさせるものに研究し発展させたものです。
とても美しい色ですね。
この柿釉を使った作品が浜田庄司先生の代表的な作品になるんですか?
そうですね。鐵繪(てつえ)、赤繪、白釉、地釉、塩釉など、いろいろな表情を見せる釉薬を使った作品が存在しますが、
やはり浜田庄司先生の作品ならば「柿釉の作品を収集したい」とお客様からお話を頂くことが多いですね。
参考に鐵繪や赤繪、地釉の意匠は下の画像のような感じですね。雰囲気がぐっと変わります。
つぎに「抜繪・抜絵(ぬきえ)」につきまして
抜繪とは、このお皿の中央にも見られますが、「蝋抜き」という釉薬をはじかせる技法を用いて様々な釉薬の中に、地を活かした唐黍文(とうきびもん)などのデザインを抜き絵で表現した意匠のことを言います。
非常に力強く勢いのある唐黍文です。美しいですね。
はい。とても美しいですね。
唐黍文という名前があるんですね。とうもろこしですよね。お聞きする前は、何か文字の様にも見えて、「書のようなもの」が書かれているのかなぁと思っていました。
改めて唐黍文とお聞きすると、元気で生き生きとした、伸びやかな唐黍の茎や葉が感じられて面白いですね。柿釉とのコントラストも良いですね。
柿釉や抜繪があると高い値段がつくのでしょうか?
一概に「はい」と言い切ることは出来ませんが、評価価格については需要と供給の影響が大きく反映されます。
市場での評価の基準に関して申しあげると、その先生らしい作品かどうかということが強く関係しています。
誰が見てもその先生らしい作品の方が需要が多く、人気があるため評価や相場も安定しています。
その反面で非常に珍しい作品は、希少価値や学術的価値という意味では価値が高いはずなのですが、評価価格や相場価格に限っていえば、珍しい作品よりも誰にでもその作家の作品だと判る様な代表的な作風や、分かり易い作風の方が価格が高くなる傾向にあります。
こちらの作品は直径が27.4cmで、様々なサイズの皿作品がありますが、比較的に数多く制作されているサイズのお皿です。
ちなみに作品のサイズのお話をいたしましたが、陶磁器類のサイズを測る時は、作品に傷をつけないように柔らかいメジャーや裁縫用の巻き尺などを使用して下さい。
金属製のメジャーや定規の場合、何かの拍子に鋭利な部分で擦ったり、強くぶつけてしまう様な事が起きる可能性もあります。柔らかいメジャーや巻き尺であれば、作品に接触しても傷をつけてしまう危険性が大幅に軽減されます。
作品のサイズに関して言えば、やはり大きいサイズの作品の方が高い評価価格になりますか?
直径50cmを越えるような大鉢は評価が高いですね。もちろん作品の意匠や保存状態によっても評価が大きく変わります。
画像ですと少し見えづらいのですが、釉薬が掛かりきっていないような、素地が出てしまったような部分が2カ所ほど見えます。 ご購入される方はこのような細かな箇所も非常に気にされます。
そうですね、釉薬が掛かっていないように感じられる、少しだけざらっとした部分が見えますね。
はい。そして他には、大きな欠点にはなりませんが、箱が少し日に焼けてしまってきており、箱紐の掛かっていた場所と色の差が出ています。程度問題ですが、近現代の作品については、箱に焼けや汚れがある物を嫌がる方も多いので、そのような箱は残念ながら敬遠されがちになります。本来ならば経年による「味」ととらえられるようなものですが、やはり 綺麗な保存状態の作品の方が好まれる傾向が高いですね。
あとは、こちらも大きな欠点という事ではありませんが、共箱の蓋が少し反ってきてしまっています。まだ小さな反りなので特に問題はありませんが、これが大きく反ってきてしまうと、蓋がきちんと閉まらなく紐を掛ける際の抵抗になったり、無理な力が加わり易く共箱の蓋が割れてしまうような危険性が増えますので、程度によっては注意が必要ですね。
小さな反りであれば、お風呂場の様に湿度の高い場所にしばらく置いておくと自然と本来の形に戻ってきます。ただし、乾いた後でマダラ模様になってしまいますから水滴などの水分が直接的に付着してしまわないように十分にお気をつけください。
そり曲がった蓋が直せるんですね。
はい。日本古来からの使われてきた天然の素材 桐で作られた箱の素晴らしさです。
そして、下の2枚の写真ですが、上が通常の共箱。そして下は「工房もの」と言われる大量に制作された作品用の箱で、「印」を使い分けて押印されています。「工房もの」とは、浜田庄司先生の監修で工房の職人達が量産製作した品です。
工房で大量に制作された作品もあったのですね。
かなり多く作られたのですか?
どれ程の数の工房作品が制作されたのか正確な数は判りませんが、「工房もの」と呼ばれる作品のお問い合わせは非常に多いです。
当時、記念品用や贈答用として用いられた事も多い品のため、「工房もの」は日本中にかなり数多く出回っております。そのため、残念ながら金額的には非常に安価な相場で御座います。
しかし、「工房もの」とはいえ、味わい深い温もりのある魅力的な益子焼の品ですから、棚に飾るというよりも民芸の「用の美」に親しみ、実際に楽しんで日常でお使いいただくことをお勧めしています。
大皿の作品や柿釉作品、赤繪の意匠が華やかで美しい作品はお客様からのご注文も多くあり、人気の高さが伺えます。
浜田庄司(濱田庄司)先生の作品の事で何か御座いましたら、担当の船本へお気軽にご相談ください。
2021年09月08日 河井寛次郎 浜田庄司(濱田庄司) 民藝運動を推進した作家達の展覧会
2020年08月31日 浜田庄司(濱田庄司)とバーナード・リーチ 二人の偉業
2019年08月30日 「CONTACT つなぐ・むすぶ 日本と世界のアート展」東山魁夷、河井寛次郎、浜田庄司(濱田庄司)の作品も
2018年06月07日 世田谷美術館にて浜田庄司(濱田庄司)展
2017年12月14日 京都にて浜田庄司(濱田庄司)回顧展
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お客様から評価査定やご売却などのご相談があった際、お話を申し上げる時の雰囲気を少しでもお分かり頂けるように、浜田庄司先生の作品を実際に用いてホームページを企画いたしました。
弊社の画廊紹介DVDの作成時にもお世話になりましたアナウンサーの安藤幸代さんに今回もご協力頂きます。