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川合玉堂

かわい　ぎょくどう

川合玉堂作品は、当初、息子さんの川合修二さんによって真贋鑑定が行われていました。箱書きは「修二題」「修二鑑題」、印は「修二」「古久屋」となっています。その後、玉堂のお孫さんにあたる川合三男さんに引き継がれ、箱書きは「三男題」、印は「川合三男之印」となります。現在は、東京美術倶楽部鑑定委員会に引き継がれ真贋鑑定が行われています。

川合玉堂作品は、制作年代によって落款が大きく変わります。

望月玉泉に入門の際、与えられた号「玉舟」を明治20年から3年程用いて、その後明治23年に師の許しを得て「玉堂」に改号します。以降、晩年まで「玉堂」の落款が使われますが、太平洋戦争末期の御岳時代に描かれた画讃には「偶庵」の落款が使われています。この他、戦前の画讃は「一筆玉堂」落款（玉と堂の字が一つになって書かれた花押の様な落款）、勅題に因む作品等には「芳三郎」が使われています。

印には、「金華山作」「玉堂」「玉堂画印」「玉堂之印」「芳」「芳印」「芳候」「玉堂芳印」「長流子」「長流」「長流閣」「長流閣主」「長流閣図書印」「行雲亭」「柿井軒」「二松庵」「偶庵」「偶菴」「偶盦」「方水居」「占風亭」「無工夫」など。

「長流子」「長流」「長流閣」「長流閣主」は私塾の長流画塾の名前にちなむもの。「金華山作」は、郷土岐阜の金華山にちなむもの。「行雲亭」「柿井軒」は東京牛込若宮町の自宅にちなむ。「二松庵」は富岡の画室にちなむ。「偶庵」「偶菴」「偶盦」「方水居」「占風亭」「隨軒」などは御岳偶庵にちなむ。