海老原喜之助
海老原喜之助「二人の女」1927 油彩東京国立近代美術館所蔵
1904年鹿児島市に生まれる。19歳で単身渡仏。パリ・モンパルナスの藤田嗣治を訪ねて薫陶を受ける。デビューを果たし瞬く間に頭角を現しサロンで注目される画家となる。ブリューゲルに啓発された雪景シリーズの連作など、1920年代末から30年代はじめの制作は「エビハラブルー」と称賛された青と白の色調をもつ独特の色彩感覚が高く評価され、国際的な画家の仲間入りをする。1929年頃から始まる世界大恐慌によって、パリでの生活が困難になり滞在を断念。1933年に妻(アリス)と離別し、2児を伴って帰国。第二次世界大戦末期には、郷里に近い熊本県内に疎開、その後15 年にわたり居住。1960 年代に九州を離れ神奈川県逗子へ。さらにはフランスへと挑戦の場を求め、1970 年パリで66年の生涯を閉じる。