富本憲吉 とみもとけんきち

富本憲吉「色絵金彩皿」

富本憲吉 「色絵金彩皿」

鮮やかな色彩を自在に操る 富本憲吉

色彩バランス・新たな模様・様々な図案
繊細さを兼ね備えた素晴らしい表現力

富本憲吉

1886年(明治19年)~ 1963年(昭和38年)
東京美術学校(現在の東京藝術大学)図案科の卒業制作を早々に提出して、まずはロンドンに留学。後に、パリ・マルセイユ・カイロ・インドにもまわり更に見聞を広めました。この海外の留学中に得た様々な刺激と経験は富本憲吉のデザイン観の重要な原点にもなりました。
誰もが圧倒されてしまうような華麗な存在感をまとった「色絵金銀彩」の作品制作から、使用する事を目的として制作した「洗練された日常使いのうつわ」まで、非常に多様な作品達を生み出し続けた富本憲吉。この偉大な作家は間違いなく日本近代陶芸の先駆者です。

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富本憲吉作品の鑑定・査定・買い取り・売却について

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お客様から評価査定やご売却、鑑定などについてご相談があった際、お話しを申し上げる時の雰囲気を少しでもお分かり頂けるかと思い、実際に富本憲吉先生の作品を用いた「会話形式」でこのホームページを企画いたしました。

弊社の画廊紹介のDVDを作成した際にお世話になりましたアナウンサーの安藤幸代さんに今回もご協力頂きます。

安藤幸代さん

安藤です。今回もよろしくお願いいたします。

富本憲吉先生は明治期から昭和期を生きた日本の陶芸作家です。奈良県で生まれ、東京美術学校(現:東京藝術大学)の図案科に入学されました。岡田三郎助に西洋画を学び、在学中には藤田嗣治らとも親交しました。

文化勲章受章作家であり、代表的な作品には鮮やかな金銀彩や更紗模様・羊歯模様・四弁花や五弁花模様の美しい色繪作品などがあります。

今回ご覧いただきます作品はこちら。
富本憲吉先生特有の色彩鮮やかな「色繪(いろえ)」の角瓶作品です。

富本憲吉 色繪 角瓶01
富本憲吉 色繪 角瓶02
富本憲吉 色繪 角瓶03

安藤幸代さん

とても綺麗な色ですね。

上から下に向けて瓶が緩やかに窄まり、形がとても美しいですね。

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そうですね。

角瓶の形状、華やかなデザインも富本憲吉先生の作品特有の美しさです。

富本憲吉 角瓶の形状
富本憲吉 サイン『富』

船本靖広003

これは瓶の底に書かれてる「富」という文字です。

富本憲吉先生が制作なさった作品の場合、底部や高台内の描き銘(サイン)の違いを見分ける事でその作品が制作された年代を特定することができます。

安藤幸代さん

この文字を見ただけで制作年代まで推測出来てしまうんですね。

はい。作品の意匠でも大まかな年代が推測できるのですが、描き銘(サイン)を拝見することで更に正確な制作年を特定する事ができます。
この作品は1955年(昭和30年)に制作された作品であり、70歳手前の円熟した時期に制作された作品であることが伺えます。

角瓶の前後の側面にまるで模様のようにデザインされた勢いと躍動感のある文字が描かれているのが見えますね。

これは何かを表している言葉なのでしょうか。

富本憲吉 角瓶の側面
富本憲吉 染付
富本憲吉 風花雪月

船本靖広002

この染付の文字は「風 花 雪 月」と読み、富本憲吉先生が好んで用いた言葉の一つです。

「美しい自然の風景やそこから生じてくる情緒」「しみじみとした味わい」という解釈もできる中国の言葉なのです。

安藤幸代さん

「風 花 雪 月」

含蓄深い四文字の言葉が生命力あふれる筆遣いで書かれていますね。

はい、とても美しいです。

続いて、こちらは富本憲吉先生が箱書きをした共箱です。

富本憲吉 共箱1
富本憲吉 共箱2

船本靖広001

蓋の表側部分に作品名の「色繪角瓶」と書かれています。

共箱とは、作者自身が桐箱などに署名をした箱の事を言います。所定鑑定機関が定められる以前では、真作(本物)を証明する証明書のような意味もありました。
そして、作品に箱書きを付けるということは、誰よりもシビアで辛口な目を持つ作者自身が認めた逸品の証でもありますから、二重の意味で重要性があります。

富本憲吉 共箱
富本憲吉 共箱 色繪角瓶

船本靖広001

共箱の蓋の内側には富本憲吉先生の署名と押印がなされています。

上質な桐材を使用して作られている為、桐箱の仕立てが大変に素晴らしいです。
手で押さなくても蓋の自重のみで、静かに降りてきっちり閉まってしまうほど精巧に作られております。

安藤幸代さん

薄茶色い紙の蓋のようなものは何でしょうか?

富本憲吉 共箱保護の為の蓋

船本靖広002

富本憲吉先生が共箱に書いた文字が汚れてしまったり、真田紐で擦れて文字が薄くなることやスレキズを防ぐための保護用の紙蓋です。蓋の寸法を測り、私が作りました。

安藤幸代さん

富本憲吉先生の作品で、特に人気のある作風というものはありますか?

下の図録写真のような「四弁花模様」「更紗模様」などの作品に人気があります。やはり色鮮やかな作品を好まれる方が多いです。

華やかで上品な「色繪金銀彩」「羊歯模様」などの意匠でサイズが大きく保存状態が良い作品は、美術館や一般コレクターの方々から常に購入希望のご要望を頂いております。

富本憲吉 図録

富本憲吉 図録 更紗模様

富本憲吉 色繪金銀彩 羊歯模様

船本靖広001

会話形式のページをご一読いただきましてありがとうございました。

富本憲吉先生の作品の場合、現在は所定鑑定機関が定められています。所定鑑定機関は東美鑑定評価機構鑑定委員会(旧 東京美術倶楽部鑑定委員会)です。

美術品の精通者である私たち美術商が「作品の意匠」や「全体のフォルム」、そして「箱書きの筆運び」などを拝見した場合、すぐさま偽物と判る作品も多くあります。それとは反対に、非常に巧妙で判断が難しく微細な部分まで確認作業を進めて改めて偽物と認識できる品も残念ながら存在しています。

ご不安な方は、ご所有の作品を弊社までお持ち込みいただければ拝見をいたします。拝見させて頂いたうえで、正式に所定鑑定機関に出される事が最良だと思われるお作品に関しましては、所定鑑定機関の真贋鑑定及び鑑定証書取得の手続きなどのご相談やお手伝いを承る事も出来ます。

担当の船本宛のメール問い合わせでも、下記のお電話でもお気軽にご相談ください。

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花田美術 03-3289-0668

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