本日は向井潤吉について紹介してみたいと思います。私の好きな画家のお一人です。
京都に生まれ、画家の道を歩み、亡くなるまで実に40年間もの間日本中を旅して民家や風景画を描き続けていました。
そんな向井潤吉の本日の一枚はこちらです!
『狙秋 盛岡郊外土渕(土淵)』
岩手県盛岡市の土渕(つちふち)村の民家を描いた作品になります。とても小さな村で、作品の中に描かれている山はなんでしょうか。。。
調べてみましたところ近くには『岩手山』、『大深山』、『駒ヶ岳』という山がありましたのでどれかだと思います。
普通はこのような図柄(風景など)は日本画で多く描かれる画題ではありますが、向井潤吉は洋画として描いているという少し変わった作家なのです。実際に作品を見ると顔料で忠実に藁葺き屋根の質感、山肌、空気の清涼感などを表現されていてタイムスリップしそうなほど感動します。展覧会などがある際は一度是非、足を運んでみて下さい!
色が違う中でこのように遠近感を出すために奥にある物ほど白い顔料を多く含ませて描く技法はとても難しく、洋画家の巨匠、向井潤吉ならではの技だと思います。