草間彌生の作品の値段について
草間彌生の作品の値段についてご説明いたします。
世界的に人気の高い草間彌生はこれまでに数多くの作品を制作しており、これまで公開オークションに出品された作品数は1万点以上にも上ります。
技法も様々で、一点ものの油彩画、アクリル画や水彩画の他、版画・立体作品などもあります。
作品の値段は技法や絵柄により変わってくるため非常に幅広く、例えばアクリル画は1,000万円〜5億円、立体の作品は5万円〜6,000万円といった幅で昨今は取引されているデータがあります。
草間彌生 絵画作品の値段の相場
草間彌生は様々な技法の作品を発表していますが、その中でも特に値段が高いのは一点もののオリジナル作品です。
作品の状態やサイズ等の条件で値段の金額感は上下しますが、油彩画、アクリル画、水彩画それぞれの相場感は以下のようなイメージです。
- 油彩画:1,000万円〜13億円
- アクリル画:1,000万円〜5億円
- 水彩画:100万円〜1億円
状態が良好な油彩画やアクリル画の場合、値段は1,000万円を下ることはないに等しいと言っても過言ではありません。
この金額感からも草間彌生の人気が伺えます。
草間彌生の作品の特徴と評価ポイント
草間彌生の作品といえば、水玉模様が象徴的です。
その中でも特に人気の高いモチーフは「かぼちゃ」の他、網(ネット)が画面を覆い尽くすように描かれている「Infinity Nets (無限の網)」シリーズなどが挙げられます。
「かぼちゃ」は、黄・赤・青・緑など様々な色のパターンが制作されていますが、黄色のかぼちゃの人気が一番高いです。
またかぼちゃに限らず、靴やフルーツなどのモチーフでもラメが施された作品があります。
繊細な煌めきが特徴的で、同じモチーフでもラメがあるものとないものを比較した際に、ラメありの方が高く査定される傾向にあります。
本画作品の価格変動について
草間彌生の本画作品の価格は、ここ20年ほど右肩上がりに変動しています。
具体的な値段の例を挙げると、版画の「Pumpkin(1982)」という作品は2014年1月のオークションで125万円で落札されたのに対し、同じ作品が2018年10月には400万円で、そして今年2023年10月には850万円で落札されています。
また油彩画の例では、2013年6月にロンドンで65,000ポンド(当時のレートで約1,000万円)で落札された「Nets 34」という作品は10年後の2023年10月には香港で1,500,000香港ドル(現在のレートで約2,900万円)で落札されています。
値段が変動した要因とは
草間彌生はこれまでに何度か再評価されるタイミングがありました。
1960年代に積極的にニューヨークで活動をしていた草間彌生ですが、注目が集まったのはその約30年後です。
1989年にニューヨークの国際現代美術センターで発表された「Infinity Mirrors」で大きな注目を集め、1993年開催のヴェネツィア・ビエンナーレに日本代表作家として参加しました。
その時に発表されたインスタレーション作品「Mirror Room (Pumpkin)」は草間彌生の再評価の流れを後押ししました。
かぼちゃと水玉模様と云えば草間彌生の代名詞のイメージがありますが、その始まりはこのヴェネツィア・ビエンナーレだったのです。
筆者(=花田美術スタッフ)も実際に2019年のアメリカ マイアミのICA Miamiで展示されたミラールーム「All the Eternal Love I Have for the Pumpkins」を見たことがありますが、360度黄色かぼちゃに囲まれたその空間からは、草間彌生の生み出す”果てしなさ”や不明瞭な”永遠”に溢れた世界観を体験することができました。
最高落札額の作品について
草間彌生の作品の過去最高落札額は「Untitled (Nets)」で、2022年にニューヨークで開催されたフィリップスオークションにて落札された絵画です。
落札額は1,049万ドル(プレミアム込み)で、当時のレートでは日本円で13億5,000万円で落札されました。
1959年に制作され、大きさは130.8×116.5cm(60号)、そして所謂「Infinity Nets (無限の網)」シリーズらしい白を基調とした作品です。
遠目から見ると真っ白でシンプルな作品のように思えますが、直近で見ると網目のようなモチーフが画面全体に張り巡らされており、その質量や密度の高さから草間彌生らしさを存分に感じることのできます。
「Infinity Nets (無限の網)」シリーズは草間彌生の作品の中でも、特にモダンでスタイリッシュな作品です。
草間彌生の作品の査定や評価が高くなるポイント
草間彌生の作品に限らず、美術品全般を査定する際には以下の3つのポイントが重要となってきます。
- 鑑定の有無
- 作品状態
- 作品の来歴
① 鑑定の有無
美術品を売買する上で最も重要なことは「その作品が本物であるかどうか」ということです。
特に草間彌生のように値段が高い作家の場合は、贋作が数多く世に出回っている可能性が高いです。
よって鑑定証書の有無は買取をする買取業者にとっても、これから作品を購入されるお客様にとっても重要視するポイントです。
② 作品状態
紙折れがない・シミやカビ、ヤケがない等、作品の状態に問題がないということは、評価が高くなるポイントの一つです。
修復が必要な際は、多くの場合その修復に掛かる費用を鑑みて査定額が算出されます。
例えば状態に問題ないと仮定した時に100万円の査定をされた作品が、実際拝見した時に修復に40万円かかると判断された場合、買取価格は60万円になるということです。
ここで注意するべき点が一つあり、修復される場合はお客様ご自身で判断されず、一度画廊などの美術業者に状態を見てもらうことをおすすめします。
作品の査定金額よりも修復費用の方が高くなる場合もあり、お客様ご自身で修復の判断されると却ってご損されるようなケースがあるためです。
③ 作品の来歴
鑑定証書があり、状態が良好であることに加えて、来歴がしっかりとある作品は評価が高くなります。
例えば、過去に有名美術館への所蔵歴があった場合や名門財閥が所有していたような場合はその作品の評価が更に上がります。
草間彌生の作品の売却のご相談は花田美術へ
花田美術では草間彌生の作品の買取をしております。
これまで数多くの草間彌生の作品を売買してまいりました。
すぐお売りになるということでなくても「現在の作品の値段を知っておきたい」や「鑑定証書を取得したい」というようなご相談も承っております。
なお、草間彌生の作品の鑑定は2023年現在、1点もののオリジナル作品のみが鑑定対象となっております。
株式会社草間彌生が作品登録および登録カードを発行しており、それが所謂「鑑定証書」です。
2019年12月までは株式会社草間彌生が版画やグッズ等の作品登録の照会サービスを行っていましたが、現在そのサービスは終了しています。
よって現時点で真贋鑑定が可能な作品は、オリジナル作品のみということになります。
美術品の売却の方法というのは一つではなく、様々な方法がございます。
お客様のお気持ちやご状況に合わせてベストな売却方法をご案内いたしますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
花田美術では草間彌生作品の査定を無料で承っております
草間彌生の作品の査定を無料で承っております。
お持ちの作品の相場感を知っておくことは、お客様が今後ご売却されるか、又はお子様に譲り渡すかなど「作品をどう取り扱っていくか?」ということにおいて一つの指針となります。
昨今の相場動向など、データを用いてお客様がご安心・ご納得いただけるように誠心誠意ご説明いたします。
また草間彌生の作品に限らず美術品の査定については、1社だけでなく2〜3社に聞かれることをおすすめしております。
何社かに聞くことでお客様の中でも大体の相場感を把握することができますし、値段以外の点でも、買取業者の雰囲気やお客様との相性などをご覧になられると良いと思います。
但し、あまり多くのところで査定されると業界内でその作品の情報が出回る可能性がございますので、闇雲にではなく、ある程度は買取業者を絞られた上でお問い合わせすることがお客様にとって良いと考えております。