上村松園の美人画の値段は?「序の舞」を始めとした代表作についてもご紹介します!

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上村松園の作品の値段について

明治・大正・昭和と通じて、品格と豊かな感情をあわせ持った美人画を描き続けた作家です。女性として初めて文化勲章を受章するなど多くの功績を残した上村松園。その上村松園の作品や値段などについてご案内いたします。

上村松園の作品といえば、やはり美人画です。上村松園を代表する作品であまりにも有名な作品である「序の舞」は記念切手にも採用されており、ご覧になられたことのある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。他にも記念切手には、「母子」や「鼓の音」などが採用されています。この「母子」昭和9年(1934年)作は東京国立近代美術館、「鼓の音」昭和14年(1939年)作は松伯美術館に収蔵されています。

上村松園の美人画について、住環境の変化により、床の間のない家も増え、掛け軸を飾り掛け、季節によって替えたりするご家庭も少なくなっているかと思います。上村松園の作品では、縦長の掛け軸の作品も多く、床の間のないお宅ですと、飾る場所に困ってしまう様な状況も多いかと思います。そういった事もあり、需要が減って来ていることは確かです。ただし、京都画壇の日本画の女性物故作家のなかでは、ダントツの知名度と人気度を誇り、作品の評価、値段は堅調です。

上村松園の代表作「序の舞」とは?

先にも申し上げましたが、上村松園の作品のなかで、一番の知名度を誇るのが「序の舞」の作品だと思います。この「序の舞」は昭和11年(1936年)文部省招待展に出品され、政府の買い上げとなった作品で、現在は東京藝術大学美術館に収蔵されています。実物をご覧になられたことのある方はご存じだと思いますが、作品の縦の長さが2メートル以上もあるとても迫力のある大きな作品です。平成12年には重要文化財として指定を受けており、上村松園の代表作のひとつです。

上村松園 序の舞
「序の舞」東京藝術大学美術館所蔵

「序の舞」は上村松園の人生で幸せに満ちた時代に描かれています。この作品からは、息子に「序の舞」のモデルをつとめる美しいお嫁さんを迎えられたことのよろこびや、自分の人生や画業についての充足感が感じられます。

上村松園の作品は「序の舞」の様に能に題材を求めた作品が多くあります。この「序の舞」は、現代の令嬢が謡曲を舞う姿を描いており、優美にして緊張感をはらんだ逸品です。この「序の舞」のモデルは上村松篁夫人のたね子です。京都で一番の結髪師に文金高島田を結ってもらい、婚礼の時に着た大振袖を着ています。

上村松園も作品の出来には満足だったようで、「この絵は私の理想の女性の最高のものといっていい。自分でも気に入っている女性の姿であります。」と語っています。

上村松園を代表する逸品のひとつになりますので、リトグラフ作品などの複製作品も数多く制作されています。

上村松園の美人画の値段は?

上村松園の美人画といえば、女性の美しさが最も感じられる瞬間を描いた作品といえます。その美人画は単に美しい女性を美しく描いた作品ではなく、女性の美しさ、それは凛とした強さであったり、わが子を見つめるときの慈悲深い表情であったり。そういった女性のもつ美しさを、品格と非常に豊かな感情を伴って描いた作品です。

明治21年(1888年)、上村松園がまだ13歳のとき、その時の師匠によって命名された「松園」の画号を用いる様になり、それから昭和24年(1949年)、上村松園74歳までの画業がはじまります。上村松園の描く美人画も、20代の頃に描く美人画と、円熟期を迎えた60代・70代の作品とでは異なります。

昭和9年、上村松園59歳、第15回の帝展に出品した上村松園の代表作のひとつである「母子」が政府買い上げとなります。2年後の昭和11年の文展招待展では「序の舞」を出品し、こちらも政府買い上げとなります。このあたりの作品類から、上村松園の代表作といわれる作品が多くなり、一般の方も良く目にする様な作品類が増えてくるように思います。これらの時代の作品類は人気が高く、需要も多いことから評価価格、値段は高くなります。

上村松園の原画(美人画以外)の値段は?

上村松園の作品といえば美人画が有名ですが、美人画以外の作品は描いているのでしょうか。山水や花鳥画、静物画など、日本画の題材としては一般的に良く見られますが、上村松園の作品ではほとんど見られません。美人画以外の図柄の作品については、ひな人形や松、梅、干し柿など、少数が確認できる程度です。本画作品ではなく、素描作品などでは、美人画の制作上必要になる、かんざしや櫛などや、動植物、風景など様々な種類が見られます。

上村松園といえば「美人画」ですので、美人画以外の作品については、作品数も圧倒的に少なくはなりますが、需要も少ないため、相場価格は低額になります。資料的価値は高いもので、どんなに出来の良い作品だったとしても、実際の評価の値段は、美人画の相場価格に比べると、限りなく低いものとなってしまいます。

上村松園の代表的な図柄【美人画】が人気の理由

上村松園の描く美人画からは品格が感じられます。モデルとなった女性の背景や気持ちなど、その一瞬が凝縮され描かれています。作品からはそこに関わる全ての人、それは、上村松園本人はもちろんのこと、モデルやその付き添いの人、両親、友人など、多くの人のあふれ出るほどの情感が感じられます。緊張感のある画面でも、そこには確かに温かみが存在しており、多くの関係する人たちの愛が感じられます。多くの名品を描き、それらの美人画によって、たくさんの方から評価され女性で初めて文化勲章を受章し、結果を残した上村松園。唯一無二で「松園の前に松園なく、松園の後に松園なし」とまで言われ、上村松園の描く美人画の人気と需要は堅調です。

代表作である「序の舞」「娘深雪」「わか葉」といった作品の魅力

上村松園の美人画で代表的な作品では、足立美術館が所蔵する大正3年(1914年)作の「娘深雪」(むすめみゆき)、先にもご案内いたしました東京芸術大学美術館が所蔵する昭和11年(1936年)作の「序の舞」、名都美術館が所蔵する昭和15年(1940年)作の「わか葉」などの作品があげられます。それぞれの作品には、制作時代の特徴が出ており、異なった魅力があります。

上村松園 娘深雪
「娘深雪」足立美術館所蔵

上村松園の描く「娘深雪」は、浄瑠璃や歌舞伎で知られた生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)、通称朝顔日記といわれますが、これを取材し描かれた作品です。主人公である温厚でおとなしい深雪が心の内に秘めた恋人への一途な想いを、上村松園が慈しむような想いを持って描いている様です。

上村松園 わか葉
「わか葉」名都美術館所蔵

上村松園の描く「わか葉」は、窓の欄干に両肘をついて窓外をぼんやりとみつめる女性を描いた名品です。庭には萩が伸びはじめており、画面からは初夏の爽やかな風が感じられます。

上村松園の作品の値段や評価が上がるポイント

上村松園の美人画作品につきまして、支持体である絵絹や、顔料が繊細なものが多く、保存管理の状況や、経年による劣化などで、支持体や顔料に痛みが出てしまっている作品を多く拝見します。岩絵の具の顔料下に特別な彩色を施した作品や、繊細な絵絹が使われている作品も多く、修復やクリーニングなど、傷んだ作品のメンテナンスは非常に困難なものが多くございます。傷んでしまっている作品については、どの程度、クリーニングや修復が可能かによっても、評価の値段は変わってきます。綺麗な状態で保管されている作品は評価が高くなりますが、大切に保管されてきた作品でも、経年による劣化は防ぎきれない部分がありますので、ある程度の経年による作品の劣化はしかたがないかと思います。もし、作品の状態に不安があるような場合は、ひどくならないうちに早めに美術商などの専門家にご相談頂き、ご対応頂くのがベターです。

他には、現在は所定鑑定機関が制定されているため、その時に定められた所定鑑定機関で鑑定証書を取得しておくということもポイントです。

展覧会に出品履歴がある作品や、図録やレゾネに掲載されている作品は、評価が高くなる傾向にあります。

作品の評価価格については、個々の作品の出来や、図柄、状態に因って変わってきますが、作品の制作年代によっても変わって参ります。サインに「松園女」とある作品は上村松園が26歳から30歳頃のサインになり、その後は「松園」というサインに変わり晩年までこのサインを用います。世間での松園の評価も上がり脂ものってくる時代に用いられた「松園」サインの作品の方が、評価の高い作品類が多くございます。

上村松園の作品の査定は花田美術へ!

花田美術では、上村松園の作品について査定や売却のご相談を承ります。この記事では、作品の値段に関係してくるような内容をご紹介しましたが、実際の作品の値段につきましては、作品の図柄、サイズ、制作年代、支持体本紙と顔料の状態、これらの条件によって大きく変わります。相場価格の幅は非常に広いため、実物を詳しく拝見することで一番正確なご案内ができ、お話をスムーズに進めることができます。初めてお問い合わせをされる方の場合、不安などがあり、問い合わせをためらっている方も多くいらっしゃるかと思います。弊社は、昭和58年の創業から長きにわたって様々な美術品の評価査定や買い取り、販売を行ってきた実績がございます。美術品の売却のことでご相談を頂きました際は、作品を拝見した上で正確な査定をし、お客様のご希望にそって、その作品の売却方法として最適な売却方法をご提案いたします。無理に美術品の売却をおすすめすることや、ご提案内容を強制することなど、そのようなことは一切ございませんので安心してご相談ください。弊社の画廊は東京都中央区銀座6-3-7アオキタワー1階にございます。査定をご希望の方は作品を直接お持ち込み頂けます。信頼のできる美術商での買い取り、ご売却をお考えの方は、ぜひ花田美術までお気軽にご連絡ください。

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