横山大観に偽物(贋作)が多い理由と鑑定の仕方をご紹介します。

横山大観は偽物(贋作)が多いのはなぜ?

横山大観は偽物(贋作)が多いことをご存知でしょうか?

富士霊峰

有名作家はよく偽物(贋作)が制作されますが、その中でも圧倒的に横山大観は偽物が多いと聞くことがあります。

では、具体的に偽物(贋作)は何点制作されているのでしょうか。

真作の制作点数は把握することは可能かもしれませんが、偽物(贋作)が何点制作されたのかを計測することは不可能だと思います。

花田美術は買取査定などを行っておりますが、経験上、他の作家に比べ横山大観の偽物(贋作)に出会うことは多いです。

そして、なぜ横山大観の偽物(贋作)は多いのですか?と聞かれることが多々あります。

その理由は当たり前のことですが、横山大観が有名で高額であることが最大の理由だと考えられます。

悪い人が偽物(贋作)を制作する際に金銭面で考えると、10万円の作家の偽物を制作するよりも1000万円の偽物を作った方が効率が良いからではないでしょうか?

また横山大観は、明治、大正、昭和の時代の中で最も有名な作家です。

上記の説明と同じような流れになりますが、偽物(贋作)を作る人の心理としては、やはり無名な作家よりも有名な作家の作品を制作した方が、売れる可能性も高まるからではないかと思います。

以上の高額であることと、売れる可能性が高いことなどの理由から、偽物(贋作)が多い作家になったのではないかと推測します。

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鑑定番組でも偽物(贋作)が度々登場

鑑定番組では横山大観の偽物(贋作)が度々登場します。

前述したように偽物(贋作)が多いため、なかなか真作が出ないのです。

では、過去にどのような偽物(贋作)が登場し、どういった評価を受けたのか見ていきましょう。

2014年3月25日に放映された作品も偽物(贋作)でした。

その時は、安河内眞美さんが鑑定をされました。

ご所有者の希望価格は150万円でしたが、鑑定結果は1万円でした。

鑑定士の目では、一眼で偽物(贋作)と分かるような作品でした。

ちなみに図柄は、いわゆる海暾の図です。

横山大観は、富士に並び多くの海暾を描いています。

余談ですが、海暾とは海の日の出を表す熟語です。

番組で安河内さんがおっしゃっていたことですが、一流の作家の作品には一流の軸装がされています。

この作品は、生地が悪いモノでした。

私たちは箱書の桐の目の美しさなども見ます。

仮に抜け落款の時代で杉箱に入っているなんてことは絶対に有り得ないので、そんなこともサラッと見ています。

 

まれに真作も登場!鑑定額は数千万円に

鑑定番組でも偽物(贋作)は多いものの、過去には本物の横山大観の作品が登場したことがあります。

2015年1月6日の放送では筍が描かれた掛け軸が登場しました。

こちらは鑑定により真作であることが判明し、3,500万円という結果となりました。

 

横山大観の巧藝画は偽物(贋作)?

横山大観の巧藝画(巧芸画)は、もちろん真筆ではありません。

真贋鑑定の意味では、偽物(贋作)の部類に入ります。

ただ、巧藝画は横山大観公認の複製画であり、もっと身近に日本文化を感じてもらいたいとの思いから制作されたものです。

折角ですので、工藝画について少し話をしたいと思います。

工藝画を制作しているのは大塚工藝社になります。

大塚さんと横山大観との出会いから始まっています。

大塚さんの工藝画は、美術印刷の上に原画同様に絵具を手彩色しています。

つまり、印刷物ではありません。実際に描いているとも言えます。

その点で、パッと見では真贋の判断がつかない作品が多々有ります。

余談ですが、工藝画という名称も大観より名付けられました。

 

真作と巧藝画の見分け方

横山大観の巧藝画はとても精巧に作られているので、写真で見比べても本物と見分けがつかないことがあります。

しかし、巧藝画は偽物(贋作)とは違いますので、近年になってからは、あえて真作か巧藝画か見分けられるように全く違う印章を使い制作されています。

横山大観 偽物 印章

※大正8年の落款

ただ初期の頃、横山大観自身が大塚工藝の出来の良さに喜び、本物の印章が押された作品もあったようです。

やはり、そのような点も考えながら慎重になる必要があります。

 

横山大観の真贋の鑑定は横山大観記念館へ

横山大観の真贋の鑑定は横山大観記念館で行われます。

明治時代以降、横山大観のような有名作家においては所定鑑定人(機関)がおり、そこで真作と認められると、多くの場合は鑑定書が発行されます。

しかし横山大観の場合は鑑定書は発行されず、軸棒の裏の部分に登録番号と割印が押されます。

 

鑑定書があると価値が高くなるの?

横山大観の場合は、通常の鑑定機関のように鑑定書が発行されることはありません。

時々、一般の方からの電話相談で詳細をお聞きした時に『鑑定書があります』と聞くことがありますが、その場合は、残念ながら十中八九その作品は偽物(贋作)であると感じます。

先ほどの説明と重複しますが、横山大観の場合は鑑定書を取得するのではなく、鑑定登録をしていただくことになります。

 

横山大観の買取査定は花田美術へ

横山大観の買取査定は花田美術にお任せください。

弊社の買取につきましては下記記事でもご紹介しております。

横山大観の買取・査定について詳しくはこちら

横山大観 偽物 富士図

真贋を確認する鑑定は、横山大観記念館ですることができますが、その作品の現在の価格を出すには査定が必要になります。

横山大観は美術商として50年以上の経験を持つ会長がもっとも得意にしている作家です。

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