東山魁夷の作品の相場
本記事では東山魁夷の作品の相場について説明いたします。
東山魁夷(1908年〜1999年)の作品は、作家本人が亡くなられて以降も多くの日本人から愛され続けています。美術品の相場価格はバブル期と比較した時、日本画や洋画に限らずどんな作品も相場が下落しています。東山魁夷についても時代に合わせて相場価格が上下しているものの、その時々の中では常に高い相場を維持しているのです。
それだけ東山魁夷が時代を超えても人々を魅了している作家であるということが分かります。
東山魁夷の代表作の価格の相場
東山魁夷の代表作としては「白馬の森」「緑響く」「道」などが挙げられます。いずれも「東山ブルー」とも呼ばれる神秘的で静謐さが感じられる青を基調としています。
東山魁夷の作品の中には人物は登場しませんが、唯一の点景として描かれているものに「白馬」が存在しています。東山本人は自身の風景画について「私の描くのは人間の心の象徴としての風景であり、風景自体が人間の心を語っているからである。」と話しています。幻想的な白馬の存在により、人間の心を反映している東山の「風景」が更に魅力的に表現されています。
具体的な相場価格について、ここ数年間のオークションデータによると森の風景が描かれている日本画の相場は、どんなに安くても1,000万円〜、高いもので1億円で落札されています。
その他の作品の価格の相場
東山魁夷というと青を基調とした作品を想像することが多いかと思いますが、黄色や橙色を使用した煌びやかな印象の日本画や、水彩画、版画なども制作しています。
相場価格について、日本画が最も相場が高く、日本画は400万円〜、水彩画は50万円〜、版画は1万円〜といった価格帯から取引されています。
東山魁夷の作品が高額査定となるポイント
東山魁夷の作品が高額査定となるポイントとして、以下3つのことが挙げられます。
- 所定鑑定機関発行の鑑定証書の有無
- 作品状態に問題がないかどうか
- 作品のこれまでの来歴
1. 鑑定証書の有無
所定鑑定機関が発行した鑑定証書の有無は査定の際に非常に重要視されるポイントです。東山魁夷の所定鑑定機関は「東美鑑定評価機構」になります。鑑定証書があることは美術品の一定の価値を証明する役割があります。お持ちの方はなくされないよう大切に保管してください。
また、花田美術では鑑定代行も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
2. 作品状態に問題がないかどうか
上述したような相場価格で取引されている作品というものは、作品の状態に大きく問題がないものであるということが前提です。つまり、シミやカビ、割れ、日焼けなどがある場合はその状態に準じた査定額になります。お持ちの東山魁夷の作品を相場に則した値段で売却するためにも、保管環境を整えることをおすすめします。
すでにダメージが出てしまっている場合は、ご自身で直されることは避けてください。専門の修復業者をご紹介することも可能ですので、作品に手は加えずそのままの状態で一度お持ち頂ければと思います。
3. 作品のこれまでの来歴
有名美術館への所蔵歴がある場合や、展覧会への展示歴があり、図録にも掲載されている場合、評価が高くなります。そのような記録がある作品をお持ちでしたら、査定時に買取業者に資料を提示することでよりスムーズな査定に繋がります。
白馬・森林・湖が描かれた作品の評価
東山魁夷の作品といえば、静寂で平穏、風格のある洗練された雰囲気が特徴的です。様々な風景を描いてきた東山魁夷ですが、特に青を基調とした白馬・森林・湖が描かれている作品は人気が高く、その人気に準じて相場も高い傾向にあります。
代表作である「白馬の森」や「緑響く」はまさにこのモチーフが描かれており、「東山魁夷の作品」と言われて多くの人が思い浮かべるのではないでしょうか。非常に需要が高く、版画作品としても制作されています。
作品の種類
東山魁夷の技法は大きく分けて3つあり、日本画・水彩画・版画です。加えて、数は多くないですが水墨画や書もあります。上述したように同じ東山魁夷という作家の作品だとしても、技法によって価格は大きく変わります。
なお、版画作品は同じ「版画作品」という括りの中でも、更にリトグラフなのかシルクスクリーンなのか木版画なのか等、刷り方によっても価格帯が異なります。更に東山魁夷の版画作品特有のことでいうと、新復刻画なのかそうではないのかということも価格が変わるポイントです。
作品の状態
美術品査定の際、作品の状態は特に買取業者が注視するポイントです。査定の際はシミ、カビ、日焼け、折れ等の有無を確認します。また東山魁夷の場合は共シールが剥がれていないか、共板・共箱の有無も重要になってきます。
美術品というものは、保管方法や環境によって数年後、数十年後の状態が変わってきます。売却される際に作品の状態が良ければ良いほど当然査定額は高くなるため、売却をお考えになる前から保管環境には注意を配ることをおすすめします。
具体的な保管方法について、2パターンに分けて以下ご紹介します。
- 飾って保管する場合
- 直射日光を避けられる場所に飾ってください。
- 強すぎるライティングは避けてください。
- 室温が高すぎたり低すぎない場所が良いです。
- 湿度が高すぎるとカビが発生する可能性があるため、気をつけてください。
- しまって保管する場合
- エアキャップに包んで保管することは避けてください。
- 防虫剤は科学的な物ではなく、古来からある防虫香を使っていただくことをおすすめします。
- 室温が高すぎず、低すぎず、温度変化も少ない場所に保管して下さい。
- 湿度が高すぎるとカビが発生する可能性があるため、気をつけてください。
東山魁夷の作品の所定鑑定機関
東山魁夷の作品の鑑定について、「東美鑑定評価機構」が所定鑑定機関として定められています。東山魁夷に限らず、鑑定登録というものは所定の鑑定人・鑑定機関があり、定められたところ以外の人物や団体が真贋について言及したとしても、そこに公的な効力はありません。
東美鑑定評価機構は東京美術倶楽部内に位置しており、鑑定及び鑑定証書の発行を行っています。東山魁夷の作品の鑑定費用は鑑定料が3万円(税込)、登録管理料・鑑定証書発行料3万円(税込)です。
東山魁夷の作品の売却方法についてお気軽にご相談ください
花田美術では、東山魁夷の作品の査定を無料で行っております。すぐに売却する場合でなくても、現時点での相場感を知っておきたいとご相談にいらっしゃるお客様も数多くいらっしゃいます。また査定以外では、所定鑑定機関への鑑定代行や、シミや日焼けといった作品の状態確認等も承っております。
売却方法については、弊廊にお売りいただくということ以外にもいくつか方法がございます。お客様のご希望やご状況に合わせて、ご提案させて頂きますのでお気軽にお問い合わせ(03-3289-0668)下さいませ。